フランス料理店の制服はこう選ぶ!おすすめ素材をご紹介
フレンチのシェフの制服と言えば、コックコート。
パリッとした白のイメージが強いですが、最近ではオールブラックのものや、縁にパイピングのしてあるタイプなど、おしゃれなデザインが豊富です。
そのため選ぶ際に、まずデザインや色に目が行きがちですが、使われている素材についてもよく検討してみましょう。
同じデザインのコックコートでも素材が違うだけで、着心地や通気性、動きやすさ、厚みや重さなど全く変わってきます。
加えて糸への特殊加工がされている素材は、機能面にも期待できます。
素材そのものだけでなく、生地の織り方によっても違いが出てくるため、デザインや色を選ぶ前に、はじめに素材について理解しておくことが大切です。
今回はフランス料理店の、シェフの制服として使われることの多い素材について解説します。
コックコートで使われる代表的な素材
綿
衣服として世界中で最も多く使用されている天然繊維です。
綿は吸水性や通気性に大変優れおり、通年素材として夏は涼しく、冬は暖かく着ることができます。
また綿100%の素材は耐熱性にも優れ、燃えにくいため(たとえ着火しても一気に燃え上がらないため、燃え広がる前に消火や脱ぎ捨てることが可能)厨房での使用に適しています。
繰り返しの洗濯や、高温のアイロンも可能なので、長く使用することができます。
デメリットとしてはシワになりやすく、洗濯をすると縮むことが挙げられます。
また特に厚手のものは、水に濡れると乾きにくいという特徴があります。
スーピマ綿
綿の中で最上級の素材です。
細くて長い繊維(35mm以上)を持つスーピマ綿は、エジプト綿とアメリカ綿を異種交配して作られました。
色は漂白されたような青みがかった白さとは異なり、やわらかな生成色に近く、高級感があります。
シルクのようなツヤがあり、しっとりとした手触りですが、耐久性にも優れています。
洗濯を繰り返しても縮みにくく、軽やかな着心地が継続します。
デメリットは価格が高い点で、数を揃えるとなるとコストがかかります。
綿ポリエステル
綿とポリエステルの混紡素材(ポリエステル65%綿35%)でシワになりにくく、洗濯しても乾きやすいのが特徴です。
実際に企業の制服として最もポピュラーな素材です。
デメリットとしては綿100%と比較すると、静電気や毛玉が発生しやすいことが挙げられます。(中にはポリエステルの繊維に静電気をおきにくくする加工が施されたタイプもあります)
また綿ポリエステルは、ポリエステルの要素も引き継いでいるため、同じく綿100%と比較すると、燃えやすい素材です。
ポリエステル
ポリエステルは主に石油などから作られた合成繊維です。
軽くてほとんどシワにならずノーアイロンで着用でき、速乾性があります。
また洗濯で縮むことはなく、お手入れが簡単です。
合成繊維のため、制服にかかるコストも低く抑えられます。
ただし、静電気や毛玉が発生しやすく、特に火に弱いため、厨房での使用には向きません。
火を使わないホールスタッフが着る、コックコート風デザインの制服などに使用するのに向いています。
麻混ポプリン
綿、麻、ポリエステルなどの混紡素材です。
麻が入っているため、通気性がいいことと、さらっとした肌触りが特徴です。
また麻によって強度が増し、繰り返しの洗濯にも耐えうる素材です。
暑い夏場の厨房での使用に適しています。
素材の織り方の違い
バーバリー
細番手の糸で綾織りに織られた薄手の生地です。
折り目が斜めになっているため、表面に光沢があり、やわらかな肌触りが特徴です。
厚みはYシャツよりもやや暑い程度なので、制服としては夏場に使用されます。
ウェザー
防水性に優れた平織物です。非常に高密度に織られており、ハリとコシがあります。
元々軍用コートなどに使用されていたため、その強度は折り紙付きで、アパレルのジャケットやコートの高級素材として好まれる他、ユニフォームの素材としても広く使われています。
ツイル
日本では綾織りとも言われる織り方の一種です。
タテ糸3本にヨコ糸を1本交差させた四つ綾のことを指します。
生地に斜めの畝ができるのが特徴で、平織りと比べると強度は劣りますが、なめらかでやわらかな風合いを持っています。
伸縮性に優れており、シワになりにくいためボトムやジャケット、シャツなどさまざまな衣服の素材として使われます。
カツラギ
太番手の糸を使用して綾織りに織られた肉厚で丈夫な生地です。
風合いはデニムとよく似ていますが、デニムより若干柔らかいイメージです。
しっかりとした厚みがありながら、丈夫でやわらかな生地は衣料品の他にもバッグなどの小物から、ソファーカバーなどのインテリア用品まで幅広く使用されています。
ポプリン
厚みの異なる、縦糸と横糸で織られた平織物です。
横方向に細い畝があり、上品でしなやかな風合いが特徴です。
通気性に優れ、着心地がいいため春夏の素材として親しまれています。
また光沢があり、高級感のある質感はフォーマルの場で着用する素材としても選ばれています。
まとめ
フランス料理店のコックコートに使用される素材について解説をしてきました。
コックコートと一言で言っても、さまざまな素材のバリエーションがあるため、それぞれ用途によって使い分けを行うと良いでしょう。
- 厨房での使用には安全面から綿100%、もしくは綿ポリエステルが◎
- ホールスタッフ向けのコックコートデザインの制服にはポリエステル素材が扱いやすく、低コスト
- 夏用の制服としてバーバリーやポプリンといった薄手の生地や麻混素材を選択するのもおすすめ
制服は従業員が仕事時間を通してずっと身につけるもの。
着心地の良さや、お手入れのしやすさ、暑さ寒さに対応できるなどの機能性は仕事へのモチベーションやパフォーマンスに直接つながります。
デザインやコストも大事ですが、何より従業員が愛着を持って長く着られるかも重要なポイント。
夏は暑く、冬は寒い厨房での作業には、同じデザインでも季節によって制服の素材を変えるのもおすすめです。
ぜひ本文を参考に、仕事時間を快適に過ごせる制服を選んでいただけたら幸いです♪